2017年5月8日月曜日

933「法華経8」2017,5,8

 講演会も終わりました。大敬さんの角川書店から出版された新刊本、「劇的に運が良くなるお経」は皆さん購入されました。般若心経・延命十句観音経篇です。
 
 表紙に以下の様に書かれています。
「真意がわかるとお経は効く!!健康長寿、願望成就、危機回避。魂の進化への最短ルート
 九州一の進学校の物理教師にして、仏道を50年修行してきた禅者が、多くの図とともに世界一わかりやすく解き明かす、お経の真義。毎日が心安らぐ、奇跡を起こす強力なお経瞑想方をご紹介!」

表紙裏に
「願望を成就させたい。 切羽詰った目の前の困難・障害を切り抜けたい、
 生きづらさ・生きる苦しみを解消したい。 わくわくするような幸福感の中で生きたい。
 健康・長寿になりたい。とにかく運を良くしたい。
 仕事や学業、人間関係、恋愛などで成功したい。
 仏教が本当は何を言いたいのかしりた。 魂を進化させたい。
 ・・・・そうした願いや想いを叶えるための最短ルートとなるお経瞑想方を、約50年の仏道修行を続けてきた禅者がやさしくご紹介

 般若心経とは:希望する現実を目の前に作り出すお経です。次第に魂も高次なものに進化していきます。
 延命十句観音きょうとは:圧倒的な困難が目の前に立ちはだかった時に、切羽詰った人を救い、いのちの可能性を延ばしてくれるごく短いお経です。」

そして帯には
「本書で“お経を真に伝えていること”を悟ったら、お経の「願望成就」の力をより早く、強く、あなたの「心」やあなたを取り巻く「現実世界」に波及させられるようになります。
 「そんなの非科学的だ!」という疑念が強い方は“心を整える”ためのひとつの「瞑想」だと思って日々の生活に少しずつ取り入れてみてください(1日5分でも良いのです)。次第に、ご自身の心や環境、運勢の変化に気付きます。それが、お経が、千年以上も称え続けられてきた理由なのです。」
 
 私も最後に購入して大敬さんにサインをして頂きました。表紙の後ろに以下の様に、お言葉と絵を書いてくださいました。
「人のしあわせのため はたらけますように」

今、私に必要なお言葉なのでしょう。ありがとうございました。

 終了後、大敬さんを仙台空港までお送りしました。いろいろお話を伺えて、お役故の楽しみ、濃い時間を過ごす事が出来ました。その中で賢治の話しに及びましたが嬉しくなりました。大敬さんは賢治の足跡を訪ねたことがないようですので何時の機会にお連れしたいものです。
 お話の中で宮沢賢治が最後に登場したのは驚きでした。賢治は法華経を信奉し大事にしていたのですから当然といえば当然ですが。法華経と賢治の繋がりは以下の様に記されていますので一部紹介します。

「法華経の根本思想は仏国土の実現ということである。仏国土とは、仏が導き給う浄土のことを言う。どんな人でも、大乗の教えに基づき修行すれば菩薩となり、ついには成仏して仏となる。仏となった人は、自分自身のみならず彼が生きている世界のすべての人々を救う力を持っている。それゆえ、彼が成仏すると、彼が生きている世界は彼を中心にした仏国土すなわち浄土となる。単純化して言えばそういうことになろう。つまり、あの世ではなく、この世において実現する理想的世界、それが法華経のいう仏国土なのである。この世がそのままに浄土となる、しかもその浄土を導く仏には、どんな人でもなれる可能性がある。それ故、人々はおのれ自ら成仏しつつ、彼が生きている世界の一切衆生を救うべくつめねばならない。
 宮沢賢治が作品の中で主張したのは、まずはこの仏国土の実現ということであった。賢治が仏国土をとりあげた例としてよく引かれるのは「銀河鉄道の夜」のなかの次の一節である。
「だけどあたしたちもうここで降りなけぁいけないのよ。ここ天上へ行くとこなんだから。」女の子がさびしそうに云いました。
「天上へなんか行かなくたっていいじゃないか。ぼくたちここで天上よりももっといいとこをこさえなけぁいけないって僕の先生が云ったよ。」
 銀河鉄道に途中から乗ってきた姉と弟に向かって、ジョバンニがずっと一緒に行こうよ、と誘ったところ、姉は自分たちはこれから天国へ行くのだからここで降ります、と答えたのに対して、ジョバンニは天上などではなく地上ですばらしい世界つまり仏国土を実現しようと言っている場面である。このジョバンニの言葉の中に、賢治は法華経の説く仏国土の実現への希望を述べているととらえることが出来るわけである。
 その仏国土とは具体的にどのようなものなのか。「ポラーノの広場」はそれを問題にしている。ポラーノの広場にいる人々は、どこか別の世界で理想郷を建設しようとつとめるが、なかなかそれは実現しない。何故なら理想郷とは、彼等がいまいるポラーノの広場そのものなのだから、というのがこの童話の根本的な内容である。この童話は、賢治晩年の四つの長編童話のひとつだが、これらの長編童話にはいずれにも、法華経の言葉がこだましている。そのこだまの中で、もっとも法華経の核心に迫るのが、「ポラーノの広場」における理想郷実現への希求と考えることが出来よう。」